「自転球体上の移動」の「移動」は,つぎのように条件づける:
- 自転球体は数学的な球体 (「完全球体」) である。
- 移動は,つねに接地しており,そして抵抗が無い。
(「接地」と「抵抗が無い」のイメージは,完全球体が転がる様。)
- 位置 \( P \) からの移動を定める速度は,つぎの2つである:
- 移動の内的速度 \( \bf{v} \)
- 自転球体の自転が導く速度 \( {\bf{w}},\ | {\bf{w}} | = \Omega\ r \)
\( \Omega \) : 自転球体の角速度
\( r \) : 自転軸と \( P \) との距離
「移動」は,物体を捨象し,専ら速度と加速度で考える。
実際,物体を措くことの意味は質量を措くということであり,そして質量の意味は「これに速度を乗ずると運動量になる」「これに加速度を乗ずると力になる」である。
自転球体上移動方程式の導出は,運動量および力を要しない。
よって,物体を捨象するのである。
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