鉛直対流は,上昇流・下降流の渦柱をつくる。
地上天気図の風の渦模様は,この渦柱の地上部である。
しかし気象学は,風の渦模様は「コリオリ力=転向力」がつくると思う。
風が等圧線に沿って流れるのを,「コリオリ力=転向力」で説明しようとする。
こうしてつくられたのが,「地衡風」という虚偽概念である。
気象学は,「コリオリ力=転向力」を,円運動の「向心力=転向力」みたいに思っている。
転向力一般が円運動をつくるみたいに思っているのである。
しかし円運動は,向き・速さに一定の条件が要る。
質点の回転で渦模様をつくるときも,同類の条件を設定する。
一方,自転球体の上の移動は,向き・速さがカオス論的に変化する。
この結果,移動に働く転向力は,円や渦の模様をつくることにはならないのである。
気象学の「コリオリ力」に感化されると,台風の渦を「コリオリ力」で説明し出すようである:
2022-10-09 読売新聞「くらし」面
彼らは「右方向に曲げられるので,反時計回りの渦ができる」を作図で試そうとしたことはないらしい。
なぜなら,この作図はひどく悩ましいものになるからである:
「右方向に曲げられる」で作図をすると,時計回りになってしまう:
反時計回りの作図は,つぎの無理矢理な作図になる:
渦は,<一つの小さな出口に殺到>が生成する形状である。
ここには,「コリオリ力」の出る幕は無い。
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