Up | 粛清体制: 要旨 | 作成: 2011-06-10 更新: 2011-06-15 |
粛清体制の要点は,《民衆の側が自ら進んでこれに加担していく》という側面である。 粛清は広範囲かつ行程の長いものであるから,トップが指示して進めるというものにはならない。 民衆の側が<自発的>に応じるふうにならないと成り立たないわけである。 実際,1970年代にカンボジアに興ったポルポト政権下での粛清 (大虐殺) は,トップもこんな酷いことが起こっているとは知らないふうに進行している。 粛清は,民衆の側の<義務に忠実でなければならない>,<仕事に熱心でなければならない>の一つの現れ方である。 粛清体制は,組織がいったんこれに嵌ってしまえば,トップも介入・コントロールの仕方がわからず,成り行き任せにしていくのみである。 この力学を理解しなければならない。 この力学を理解しない者は,よそ事の粛清に対しては,これを「悪者論」で片付けようとする。 「悪者論」はいつの場合も,お手軽な思考停止である。 「悪者論」をやる者は<思考停止する者>であるから,自分が粛清の場に投じられるときは<義務に忠実でなければならない>,<仕事に熱心でなければならない>をやる者になる。すなわち,粛清に加担する者になる。 |