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Montgomery & Bikle (2015), pp.280-282.
野菜と果物は過去の遺物、かつて主食だったものだ。
ヒトの進化の初期、このようなミネラルとフィトケミカルに富むごちそうが、食事の中心だった。
人類の原型になった祖先は頭頂部に巨大な矢状稜を持っていたことからそれがわかる。
この頭蓋骨の隆起から太い筋肉が垂れ下がり、あごをしっかりと結びつけている。
この筋肉により、彼らは自然のテーブルのあるもの──筋っぽい葉、太い根、乾いた果肉が詰まった革のような果皮──を食べることができた。
植物質を噛み砕き、すり潰し、呑み込むためには毎日最大6時間かかった。
しかもそれは、泥の中から食べられる根を掘り出し、あるいは枝葉のあいだに隠れた果実を探して一日の大半を過ごしたあとのことだ。
食べ物を見つけて噛むのは一日がかりの仕事だった。
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- 引用文献
- Montgomery,D.R. & Bikle,A. (2015) : The hidden half of nature ─ The microbial roots of life and health
W. W. Norton Company, 2015.
片岡夏実[訳]『土と内臓──微生物がつくる世界』, 築地書館, 2016.
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