- 準備
- 増やしたい配列を含む2本鎖DNA
- 増やしたい配列のプライマー
増やしたい配列の両端に結合するように作られた合成DNA
Forwardプライマーと Reverseプライマーとして,2本鎖DNA のそれぞれの鎖の片側にのみ設計する
15〜30塩基くらいの長さ
- DNAポリメラーゼ
- ATGCの基質
- DNA断片の増幅──つぎのサイクルの繰り返し
- 熱変性 denaturation
2本鎖DNA鎖を加熱する (95ºCくらい)
→ 水素結合を切れて,1本ずつに分かれる
- アニーリング annealing (焼きなまし)
徐々に温度を下げる (55〜65ºC)
→ プライマーがDNA鎖のターゲット部分に結合する
元の長い鎖同士も再結合しようとするが、プライマーの方が短く、圧倒的に量が多いので、元のDNA同士が結合するよりも早く反応が進む
- 伸長 extension
再び温度を上げる (72ºCくらい)
→ DNAポリメラーゼが作用して,プライマーを起点に下流方向 (5'→3') に相補鎖が生成される
DNA には方向性があり,DNAポリメラーゼは 5' → 3' の方向にDNAを合成する
タカラバイオ「遺伝子検査の基礎知識」から引用:
数時間で 100万倍に増幅
- PCR で増幅した DNA断片の観察
- アガロースゲル (寒天) 電気泳動法
- リアルタイムPCR
- アガロースゲル電気泳動法電気泳動法
- PCRで増幅したDNAを、アガロースゲル電気泳動により,増幅サイズに応じて分離
DNAは負の電荷を帯びており,電圧をかけるとアガロースゲル中をプラス極の方向へ移動する。
アガロースゲルは細かい網目状の構造となっているので,小さいDNA程速く移動し、DNAのサイズによって分離することができる
- エチジウムブロマイド (EtBr) 等で染色して,パンドとして可視化
エチジウムブロマイドは,二本鎖DNAに結合して,紫外線照射により強い蛍光を発するインターカレーターの一種。
電気泳動後のアガロースゲルを,エチジウムブロマイドで染色すると、紫外線照射によりDNAをパンドとして可視化することができる。
Roche「PCRって何ですか?」から引用:
- リアルタイムPCR
- PCR反応中の反応液をサイクルごとに蛍光カメラで撮影し、その蛍光強度の変化からPCR反応を観察する技術。
反応溶液中の二本鎖DNAの量が増えていくに従って蛍光強度が強くなっていく仕組みになっている。
- 増幅産物のサイズは,わからない。
- 超小型PCR検査装置
- 逆転写PCR法 (RT-PCR, reverse transcription PCR)
RNA の断片の増幅したいとき,PCR法は直接適用できない。
──PCR法は,あくまでも DNA を増幅する方法。
そこで,前処理としてつぎをする:
- RNA (1鎖) の逆転写で1鎖DNA── cDNA, (complementar DNA) ──をつくる。
- cDNA の相補 DNA をつくる。
こうして,PCR が適用できる形になる。
この処理には,RNAからDNAを作り出すことができる酵素 (逆転写酵素) を用いる
- 逆転写リアルタイムPCR
2つの方法:
- 反応液の中に逆転写酵素とDNA合成酵素を入れる
- 逆転写とDNA合成の両方ができる機能を持った酵素 (Tth DNAポリメラーゼ) を使う
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