Up | 要 旨 |
授業をつくっていないで授業はできない。 あたりまえである。 しかし,このあたりまえも,経験によって気づかれる種類のことである。 授業づくりは,教えようとしている数学の主題を,自分で理解することから始まる。 しかし教員は,「自分は既に理解している」と思っており,このステップをパスする。 「自分は学生時代にこれを学習した。よって自分は既に理解している。」というわけである。 そこで,主題研究に自ら向うようになるには,<学習した>と<理解している>は違うということから,わからねばならない。 主題を理解したら,つぎは,その主題を教えるプロセスを構想・決定する作業に進む。 これは,全体ストーリーを構築し,授業単位で時間配分する作業であり,「単元設計」として行う。 単元設計が固まったところで,個々の授業の設計に進む。 授業設計の具合によって,単元設計も調整される。 授業設計は,全体ストーリーの中の一つのまとまったサブ・ストーリーの構築として行う。 授業構築は,一つの完結ストーリーの構築である。 このストーリーは,ある数学的主題が「わかった」で終わる。 特に,ハッピー・エンド・ストーリーである。 ハッピー・エンドの実現は,簡単なことではない。 やるべきことをしない・余計なことをやるというのが,失敗のパターンである。 そこで,理詰めの構築が必要になる。 |