土壌改善に役立つのは「フトミミズ」という大型のミミズです。
ミミズ効果は、土質を団粒構造にする目的が一番と言ってもよく、土が痩せている段階では積極的にミミズを呼び込み、棲んでもらう必要があります。
ミミズは土ごと餌を食べ、土に含まれている有機物や微生物などを消化吸収した後、粒状の糞を排泄します。
その糞土は団粒構造になりやすいと言われており、「ミミズの糞土は黄金の土」とも呼ばれて大変重宝されています。
ミミズは一日で、自分の体重のおよそ半分量〜自分の体重程度の糞を排泄するとされています。
ミミズの糞土は炭素を多く含む耐水性団粒です。
腸内で練り合わされた団粒は水で崩れにくく、通気性や保水性にも優れています。
ミミズの糞土が多い畑は、気相率(土壌中に空気が占める割合)が高くなるので、保水力が最大20%も高くなるそうです。
ミミズの糞土には、作物に吸収されやすい形のカルシウムやマグネシウムやリン酸などが豊富に含まれており、更には、ミミズの糞土の隙間に多くの微生物や小動物(ササラダニやトビムシ)が棲みつきます。
ササラダニやトビムシは立枯病などの菌類を食べてくれるので、これらも土壌改善に役立ちます。
また、ミミズは土ごと餌を食べて要らない土を出し、餌がなくなれば餌を求めて他の場所へ移動するので、結果としては土を耕しているのと同じ行動をしています。
ミミズが命を終えると、その体は溶けて土に帰り、それが土壌の栄養分となります。
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