Up | 「山斜面」にパネルを設置するとは | 作成: 2021-07-23 更新: 2021-07-23 |
日本では,太陽光パネル設置場所を「日照条件のよい平地」に求めるのは,ひどく難しい。 そんなところは,既に人の生活場所になっている。 土地の購入も,発電事業で見込まれる収益と見合わない。 そこで,太陽光発電で起業しようとする者は,山の斜面をパネル設置場所にすることを考え出す。 しかし「山の斜面」ということばはあるが,山に「面」なんか無い。 山は川の上流であり,雨水の浸食場所である。 こうして,パネルを設置するためには,面をつくらねばならない。 山を削って面をつくるのは,経費・技術・物理のすべての面から,不可能である。 よって,盛り土で面をつくることになる。 木を伐採し,雨水の侵食谷に土を 事業者は,これで斜面の整地が成ったと思う。 しかし,雨水の侵食谷は雨水の流路である。 水の流れの上に土を被せたらどうなるか。 子どもの頃にこれで遊んだ者ならわかるのだが,土は水に流されるのである。 「盛り土が出来上がった後に購入したわけですから、欠陥のある土地を売りつけられたのならば、前所有者の責任を追及しないといけないかもしれない」? 盛り土の土地に,欠陥のある・ないは,ない。 盛り土の土地はすべて,欠陥のある土地である。 しかも,太陽光パネルの下は沙漠になる。 盛り土であることに加えてさらに沙漠になるのだから,雨水に耐えられるわけがない。 「想定外の豪雨にも耐えられるよう追加工事をしてパトロールも実施している」? パネル設置場所に「山の斜面」を使うということは,欠陥のある土地であることを承知で,リスク・テイクの構えで使うということである。 しかしこの場合の「リスク・テイク」は,通用しない。 土砂崩落のリスクは,他の者が被ることになるからである。 とはいえ当分は,道理に無知な事業者が「山の斜面」に太陽光発電所をつくっていくことになる。 利権政治が,これを支援する。 そして大衆は,「クリーン・エネルギー」「再生エネルギー」のことばに騙される。 こうなるのは,ひとは自分で痛い目にあって初めて学習するものだからである。 是非も無し。 |