Up | 階層構造 | 作成: 2016-03-30 更新: 2017-10-18 |
そこで,「<個体/主体>の画定」の考えをもつと,それは「生きている個体から外部者を引き算する」という考えになる。 どんなものが「外部者」になってくるか? 体表・体内の共生微生物 (その数は体の細胞数をはるかに超える) ,代謝プロセスの中の様々な化学物質,その他。 (しかし,例えば体の中の水分は,どこまで外部者でどこまで個体自身か?) こんなふうに外部者を挙げて引き算すると,何が残っていくか? それは,生きている個体でなくなってしまうのはもちろん,死体でさえない。 <個体/主体>の措定はプラグマティックに考えることになるが,「プラグマティック」の意味は「いい加減」ではない。 「個体」は,構造的に考えねばならないものである。 <個体/主体>は,「系の個」として個体である。 そして,個体はそれ自体,系である。 <個体/主体>を考えることは,系を二重に考え合わせることである。 |