ここでは,「教員免許更新講習」の意味を,論理的に導いてみる。
ただし,わかりやすいように,「企画者会議」のことばで推論を書くことにする。
(注意:あくまでも推論であって,実際がどうかとは全く無関係である。)
「問題教員」の問題をどうするか?
問題教員に教員をやらせるわけにはいかない,すなわち教員免許を取り上げねばならない,が筋だな。
どうやって取り上げる?
個別にできることでないから,こんな話になっているわけだ。
実は,「免許を期限付き・更新制にして,更新システムを通るときに問題教員の免許が取り上げられるようにしよう」みたいなオリエンテーションを,もらっている。
その「更新システム」は,どんなふうにする?
難しいな‥‥
数が数だからねー
どのくらいの数?
北海道だと,全教員数が幼稚園,小学校,中学校,高校,特別支援学校で,それぞれだいたい 4200, 17300, 11300, 11500, 3000。
年齢構成を考えなければ,これを 10 で割った数が,毎年免許更新を受けることになる。
平成22年度だと,それぞれ 150, 1650, 1040, 1010, 290 くらいの予測となっている。
これはもう,運転免許の更新みたいにするしかないだろう。
運転免許更新では事故歴のデータがくっついてくるわけだが,教員免許更新に問題行為・事件歴みたいのを判定資料につけるのか?
そんな資料,そもそもつくる役を請け負う者がいない。つくったりしたら大変なことになる。
資料がつくられたにしても,今度は,判定する役を請け負う者がいるか?の問題になる。
資料は無しだね。
とすると,優良ドライバに対する運転免許更新講習みたいになるのかな?
つまり,「教員免許更新講習」と題する講習を催して,それに出席したら免許を更新する,という形。
そうなるしかないね。
しかし,「問題教員」の免許を取り上げるという話はどうなった?
そんなのもともと「免許更新制」にのっけられる話じゃないよ。
じゃあ,「教員免許更新講習」って,意味無いだろう。
経費だってとんでもない額になるんじゃないの?
免許更新制先ずありきみたいにスタートさせちゃったんだから,仕方ないだろう。
また,税金の無駄遣いかあー
罪作りだよなー
まあ,ぐちってもしようがないとして,「教員免許更新講習」をどうするか,考えようや。
数からいって,大学にやらせるしかないだろう。
教員養成系大学・学部か。
都市圏のことを考えると,国立大学では数が足りないな。
教員養成課程をもつ私立大を加えてもどうかという数だ。
教員養成と関係ないところでもいい,にしないとダメかもな。
そのように提案をつくっておこう(註)。
註 : 参考として,
- 教員養成部会教員免許更新制等ワーキンググループ 第1回 (平成19年10月3日会議) 配付資料3『教員免許更新制の運用についての検討経過 (案)』
講習の内容
免許法第9条の3第1項第1号に規定する講習の内容は、次に掲げるものとする。(別紙参照)
(1) 教育の最新事情に関する事項
(2) 教科指導、生徒指導その他教育内容の充実に関する事項
(1) は「教職についての省察」「子どもの変化についての理解」「教育政策の動向についての理解」「学校の内外での連携協力の重要性についての理解」をその内容とし、その具体的内容については、文部科学大臣が示すこととする。(特に (1) の具体的内容と時間数)
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先述のとおり、講習は全教員に共通に必要な課題を取り扱うものであることとなっているが、教員のニーズに合った講習を実施するためには、共通の課題を扱うこととしつつも、多様な講習が開設され、受講者である教員に幅広い選択肢が提供されることが望ましい。
また、30時間という限られた時間の中で、一定程度内容面で深みを持たせ、また、実益のある講習を実施するためには、全教員が受講する内容を全て統一することとするのは必ずしも効果的でない。むしろ、全教員が必ず受講すべき事項を明示しつつ、その他の必要な事項については、講習の内容についても教員が選択し受講することができるよう取り扱うことが適当である。
全教員が必ず受講すべき事項は、平成18年7月の答申を踏まえ、「教職についての省察」「子どもに関する理解」「教育課程等の動向等」「校内外での連携協力」とすることが適当である。
学校種・教科種等に応じた内容を取り扱う「教科指導、生徒指導その他教育内容の充実に関する事項」として位置づけるべき事項は、全教員に共通の課題ではあるものの、教科種により具体的なニーズの異なる各教科の指導法やその背景となる専門的内容、生徒指導等、幼児・児童・生徒に対する指導力に係る各論的な内容を中心にを取り扱うこととすることが適当である。
具体的な内容については、その時々に必要と認められるものについて、毎年検討を行うこととし、その都度周知を図ることとすべきである。
また、30時間の講習の内訳として、全教員が必ず受講すべき事項である「教育の最新事情に関する事項」については12時間、また、学校種・教科種等に応じた内容を取り扱う「教科指導、生徒指導その他教育内容の充実に関する事項」については18時間とすることが適当である。
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- 中央教育審議会 初等中等教育分科会の教員養成部会(第49回,平成19年7月13日)の『教員免許更新制の運用についての検討資料』
9. 講習の時間
法律事項
講習の時間は、30時間以上とする。
(法第9条の3第2項)
法律事項
講習の開設は、30時間以上とされる講習の課程の全部又は一部について、認定。
(法第9条の3第1項柱書及び同項第1号)
[注] 法第9条の3第1項柱書及び同項第1号の規定により、各大学等は、30時間以上にわたる講習の「全部」を開設する必要はなく、その「一部」を開設すれば足りる。
その結果、教員養成系以外の一般大学等が、それぞれの教職科目・教科専門科目を担当する各教員の得意分野を生かして、例えば、「理科教育法」「教育相談」等の比較的狭いまとまりで講習を開設することができ、多くの大学の参加が可能となる。
その他国会審議で具体的方針を示したもの
講習は学校種、教科種等に応じたバリエーションを確保し、各人による選択受講を可能とする。開設される講習の一覧は、文部科学省HPに掲載し、受講者の選択に資する。
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