Up | 「中銀デジタル通貨」の意味 : 要旨 | 作成: 2020-10-16 更新: 2020-10-16 |
中銀は,国の通貨を発行するところである。 中銀の発行する通貨を,中銀通貨と謂う。 日本の中銀は,「日銀」である。 日銀は,「円」通貨を発行する。 ひとの中銀通貨の用い方は,貯金マネーと財布マネーの2様である。 そして中銀の財布マネーの形態は,紙幣である。 生活のデジタル化が進行すると,「紙幣」は財布マネーとして何とも気の利かないものになる。 デジタル通貨にしてしまえば,すごく便利になる。 中銀はこれを行わないので,デジタル通貨を開発して運用する民間企業が現れるようになる。 現前の「デジタル通貨」は,これである。 デジタル通貨のユーザになろうとする者は,デジタル通貨運用会社のサーバに自分の口座をつくる。 そして,この会社に中銀通貨を支払って,その分のデジタル通貨を自分の口座に入れてもらう。 これを財布マネーとして用いる。 デジタル通貨による支払いは,自分の口座から相手の口座への振込である。 相手の口座は,自分と同じサーバの口座かそうでないかである。 しかし支払いシステムは,ユーザが口座を一切意識しないようにつくられている。 ひとは,一旦開設した口座に縛られるものである。 デジタル通貨運用会社は,デジタルマネーの流れを解析し,個人情報データベースおよび人・組織の相関図を作成する。 そしてこれを活用する企業を色々考えることができる。 ところでこれは,国民管理と世界進出の企てをもつ国なら,まさに欲しいと思うものである。 また,どの国も,デジタル通貨の拡大を中銀通貨の脅威と考えずにおれない。 実際,中銀通貨の弱い国なら,自国通貨がグローバル企業運用のデジタル通貨に取って替わられるかも知れない。 そうでない国も,ある国が先駈けて実現したデジタル通貨が自国に浸透してしまうのを許してしまえば,その国に逆らえない関係になる。 こうして,色々な意味から「中銀デジタル通貨」が国の課題になる。 中銀デジタル通貨は,紙幣──中銀通貨の財布マネー形態──のデジタル化である。 但し,中銀デジタル通貨が実現されることは,貯金マネーと財布マネーの区別が無くなることである。 |