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最上徳内 (1791), p.31
蝦夷土人惣て、食する盤を用いず只椀一つを用い、汁菜をも食せず、
味噌、塩も無ければ、魚肉獣肉に或は草根などを糝し、水煮にして食す。
稀に潮水を以て塩梅するもあり。
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アイヌの調理法は,<鍋で煮込む>である。
具材はあり合わせのもの (直近にとれたものないし保存食材) であり,味付けは無い。
煮込んで出てくる味が,味のすべてである。
アイヌ料理は,調味料──塩・胡椒・醤油の類──が無い
アイヌは,調味料を持たなかった。
実際,現代人の持つ調味料は,様々な技術と手間の賜である。
アイヌは,それら技術・手間とは無縁のものであった。
註: |
塩が無ければ人は生きていられない,などと思ってはならない。
肝心なのは「塩」ではなく,それの要素になっている元素の方である。
そして後者は,狩猟採集生活ではしぜんと摂取できるようになっている。
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引用文献
- 最上徳内 (1791) :『蝦夷風俗人情之沙汰』(『蝦夷草紙』)
- 須藤十郎編『蝦夷草紙』, MBC21/東京経済, 1994, pp.19-115.
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