<災いをもたらす者>は,忌避される。
<災いを招く者>が同じところに棲む者であるときは,「接近を斥ける」が「忌避」の形になる。
そして「接近を斥ける」は,いじめ(排斥的) ということになる。
砂沢クラ著『ク スクップ オルシペ 私の一代の話』, 北海道新聞社, 1983.
p.52
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私の母ムイサシマットは、テンラエカシの血をひいて色が透きとおるように白く、とてもきれいな人でした。
でも、小さい時は、他の人と顔の色が違うというので、口には言えないつらい思いを味わったそうです。
昔は、結核はサッテシエエ(やせる病)と言われ、ほうそうと同じぐらい恐れられていました。
結核にかかるとやせて青白い顔になるので、母は、結核だと思われたのです。
母は「どこの家へ行ってもいやがられ、ごはんもろくに食べさせてもらえなかった」と言っていました。
結核は、ごはんを一緒に食べるとうつる、と言われていたのです。
テンラエカシは、どこへ行くにも母を連れて行きました。
母をとてもかわいがっていたこともありますが、母が、親せきからもいじめられ、いやがられていたので、見かねたのでしょう。
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