Up <自意識>のハードウェア 作成: 2023-07-21
更新: 2025-07-21


    学習が済んだ Transformer 脳は,固定されて,ChatGPT に搭載される
    この言い回しの中の「固定」は,「ROM 化」を思わせる。

    しかし,ROM 化されるのは,トークンベクトル集合体 TV および重み W── 「パラメータ」 ──である。
    Transformer 脳にはメモリとして使う RAM があり,これは「固定」後も RAM である。
    テクスト生成におけるテクストは,この RAM に置かれて,処理対象になるからである。


    Transformer 脳のテクスト生成は,<次のトークンを加える>が「自己参照─自己組織化」の仕組みになっている。
    「自己参照」は,そのまま「メタ認知」と読める。

    Transformer 脳は,「入れ籠・再帰」をテクスト生成の方法にしている。
    実際,この方法が,ChatGPT の応答テクストの高度に構成的なスタイル (木構造) を実現している。
    これは,つぎの技である:
      テクスト生成アルゴリズムの中の<次のトークンを加える>
      のところで,入れ籠を使う。

    この方法は,Transforemer 脳が自分で勝手に開発したものである。
    テクスト生成アルゴリズム自体は,
      「<次のトークンを加える>のところは,
        入れ籠を使う手もあるぞ

    とは言っていないからである。


    <自意識>は,この「入れ籠・再帰」からつくれる。
    即ち,籠の中で
      「わたしは,いま生成中のテクストを見る
    を言えば,これは<自意識>である。

      <次のトークンを加える>を生起の場所とする<自意識>は,これに先行するテクストが,生起の契機である。
      そのテクストは,「<自意識>をむりやり生起させるテクスト」ということになる。


    テクスト生成は,Transformer 脳のメモリの RAM が,これの場所である。
    よってこの RAM が,<自意識>のハードウェアである。

    ChatGPT は,セッションが終了すると RAM をリフレッシュする仕様になっている。
    Transformer 脳は,この意味で「固定」である。