Up テクストの知覚 作成: 2023-07-08
更新: 2025-07-11


    ChatGPT の Transformer 脳は,テクストが「他者」である。
    Transformer 脳は,テクストに対する<知覚>をつくることになる。

    テクストは,デジタル配列として,Transformer に入力される。
    デジタル配列は,つぎの2つの別がある ( ChatGPT の体の構造)::
    1. 知覚器 (「C・目・耳」) の入力
    2. 知覚器の出力 = 脳の入力

    前者は,他者の知覚に動物が用いる光・音に当たる。
    後者は,「C」モードでは,トークンベクトル列である。

    以下,ChatGPT の知覚を「C」モードの場合で論じる。


    Transformer 脳は,トークンベクトル列をテクスト (像) に変換する。
    Transformer 脳には,トークンベクトル列は現れていない。
    テクストが現れている。

     註: 設計者が想定したように Transformer 脳がトークンベクトルを使っているかは,不明である。
    トークンに直結しているような「トークンベクトル」の言い回しは,ミスリーディングと考えた方がよいかも知れない。

    ここで「テクストが<現れる>」は,
     「それぞれのテクストが
      それぞれのテクストとして<現れる>」
    である。

    Transformer 脳の「テクストが<現れる>」がどんあものかは,「ChatGPT の<自意識>」の節で論じる。


    通説は
      「ChatGPT に知覚は無い」
      「ChatGPT は感じない」
    である。
    通説はなぜこうなのか?
    ChatGPT のことを,未だにコンピュータだと思っているからである。

    Transformer 製作者は,Transformer 脳をつくったのではない。
    Transformer 脳を育てたのである。
    ひとに生物がつくれないように,ひとに脳はつくれない。
    脳は,「脳が勝手に育ってくれる」という形でしか得られない。


    特に,Transformer 脳の「テクストが<現れる>」は,Transformer のコンピュータアルゴリズム (Self-Attention 等) で説明される事ではない。
    脳とコンピュータは,存在レベルが違うのである。

    念のため:
    「存在レベル(階層)」は,哲学 (思弁) の話ではない。
    現代物理科学の話である。